何をしてあげれた?何もしてあげられなかった。




なんてエゴイスティックな考え。全て自分を好く見せるための罠。



「全が思っているほど僕は善人じゃない。傘を差し伸べたのだってただ利己欲が剥き出しになっただけかもしれない。それでも」



「それでも僕にとって密は暖かい存在だったんだ。・・美味しい紅茶と」



「ありがとう・・」



ねぇ、全。気付いて。
今此処で自然と洩れた言葉は真実だから。
他の言葉全てが偽りでも、今の言葉は。今の言葉だけは。



他の言葉が偽りなのか、真実なのか、は。定かではないけれど。



「お礼を言うのはこっちの方だからね?本当に、ありがとう密」



「雨、が酷い。傘を一本あげるよ。傘は無くても困らないけど有るに越した事は無いからね」



「この傘が、世の中の憤りとか禍々しいもの全てを防いでくれれば良いのに」



「そう、なれば良いね」



「密。さよなら、は言わない。なんて月並みな科白。でも、僕らはまだ出会ってないもの」



なら『さよなら』を言う必要は無いだろう?



出会える日を夢見て。






Can I become fortunate in the following tale?

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