もっと頂戴。






甘い君の脳髄を。 もっと。















くれなきゃ悪戯しちゃうよ?
























Trick or Treat?
























冷たい風は僕の皮膚を掠め、切り傷を作りそうなほどに痛い。
掴むことなんて出来ないだろうに手を閉じたり、広げたり。
きっと、捉えてやると夢中なんだ。そして必死。
これを捉えれば、僕に歯向かうモノは何一つ無いはずだから。






僕は永遠になる。






許されるはずの罪はいつの間にか僕のナカに根付いてしまって、
許されるものも許されない。
もっと、責めてくれれば良い。
僕は許されるワケが無いんだ。






狂ってしまった僕に君は何も言わなかった。
「罪なんて、最初から無かったじゃない」
そう、だったかな?もう覚えてないんだ。
君がもっと責めてくれないから、僕に罪を押し付けてくれないから。
僕はこんな風になってしまったよ。






2人で罪を分かち合えば良い、なんて都合の良い科白。
君の口から発せられるなんておぞましいね。
君はそっと囁いてれば良い。なんでも良い。
愛の言葉でも、別れの呪文でも。






許されないのなら許さなくたって構わない。
好きなように生きるさ。けれど、彼女だけはあげないよ。
僕から何を取り上げたって良いから。
彼女だけは。せめて脳だけでも。



いつもは「駄目」の言葉だって素直に従ってきた。
いくら苦しくても。いくら死にそうでも。
でも、今日は特別。
お強請りして「駄目」って言ってももっと強請って良いんだ。
それでも「駄目」なら何をしても構わない?






内臓なんか美味しくないよ。
僕が求めてるのは脳髄。君の甘い考えが滲み出てしまったように甘いから。
許されるわけ、無いのに。許して、なんてさ。






君のことが嫌いになったわけじゃない。寧ろ愛しいくらい。
でも、愛しすぎて憎いなんてさ。
君がそんな事を言うわけないと思っていたから余計。
悲しくて死にそうだ。






「一緒に、その罪を償いましょう?」






そんなキレイ事。君には似つかわしくないよ。
償えるのなら償ってる。許されるなら許してよ。
どうにもならないから此処に居るのに君は、
どうしてそんなに甘いの。






だから頂戴。どんなに甘いかと思って口にしたら、
存外苦かった。でもとても甘いよ。甘くて喉が焼けそうだ。
このまま溶けて僕の躯と交わって。君は僕になる。









僕は永遠になる。
























風は止んだ。
もう飛べる。












罪を背負い僕は飛ぶ。












君の甘い脳髄を口に纏わり憑かせたまま。












嗚呼、反吐が出そうだよ。


























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