そう言った彼の顔が酷く大人びていたのが悲しくて。
「申し訳ないことを、聞いてしまったね」
「また、同じ事を言う・・・・どうして?僕が殺したんだ。勝手に死んだわけじゃない」
「でも、亡くなられた事は事実じゃないか」
「そうだけれど」
そうして、喉に紅茶を通らせた。
甘い香りが喉に張り付いた。鼻腔をくすぐる。
喉の渇きを潤すつもりが余計に乾いたような気がする。
「他の、ご家族は全て?」
「母は僕を産んですぐに。兄は先の徴兵で。姉は・・ひどく惨い殺され方を」
「・・・」
「黙らないで?もっと悲しくなってしまう」
「すまない・・でも」
「『でも、なんと言って良いのか分からない』?」
「・・・ああ」
「優しい人だ、あなたは」
少し、優しすぎる。
Can I become fortunate in the following tale?
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