これは思い出。そして残像。
そっと口を開けば彼と視線が絡む。
「毎晩口癖のように父は言うんだ。『どうして、俺らだけ』って」
彼は視線を逸らそうとはしなかった。彼の翡翠色の瞳が曇る。
「だから、殺してあげた。殺したら、何も考えなくて済むと思ったから」
「・・君はそれで良かったと思う?」
やっと口を割って出た言葉はとても聞き取りづらかった。
けれど、優しさで包まれているかと思うほど綺麗だった。
「自由にしてあげたかったんだ。だから・・良かったんだと思う」
「全が良かったのなら、それで良いのではないだろうかと、僕は思うよ?」
「・・・ありがとう。でも」
「でも?」
あなたはきっと心のどこかで僕を侮蔑しているのだろう?
それが、怖い。
どうしてだろう。あなたに否定されるのがとても怖い。
「なんでもない、よ」
聞き出す事さえも、怖い。
Can I become fortunate in the following tale?
Novel top
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||